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木のぬくもり


木の神秘

木のぬくもり

落ち着くのは、癒されるのは、なぜ?

人は古来より木材を生活の中に取り入れ文化を育んできました。

日本は木造建築の国ですし、

世界最大級の木造建築である東大寺大仏殿や世界最古の木造建築である法隆寺などは

だれもが一度は見に行ったことがありますよね。

今更ながらその圧倒的な迫力に感動します。

写真は巨匠ハンスJウェグナー。

日本でも人気の彼のデザインした家具はすでに半世紀以上の時を経過していますが、

今もなお古びることなく多くの人の支持を得ています。

・・・とまた前置きが長くなってしまいましたが、

ここでは東大寺や法隆寺などの建築に関してや

ハンスJウェグナーの秀逸なデザイン性に関してはあえて触れずに・・・

木という素材の特性が人に与える影響について検証してみたいと思います。

●殺菌力、安らぎ効果

フィトンチッド (phytoncide)とは、微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質。植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のことを指す。

森林浴はこれに接して健康を維持する方法だが、健康だけでなく癒しや安らぎを与える効果もある。(wiki)

●調湿効果

木材は湿度が上がると水分を吸い込んで、逆に乾燥してくると水分をはき出します。

室内に木材が多いほど、爽やかな環境になるということです。

木は湿度を適度に調節することで、カビやダニが発生しづらくなるので、木の家具は大切なモノの収納にも最適です。

●自然由来の木の香りのリラクゼーション効果

香りが脳に働きかける作用は直接的で大きなものです。 特徴的なスギやヒバといった木の香りは血圧や脳の活動を鎮静化させ、怒りや緊張などを緩和させる効果があります。

つまり、木に囲まれていればいるほど

安心で、熟睡できて、リラックス、リフレッシュできるということになります。

生きている木

木は2度生きる

一度目は大地に根ざし、森林となり環境をまもり、人に癒やしを与える。

伐採され死んだ木は加工され家具や建材になることで2度目の生命を得、活木となる。

どちらも人にとって欠かせないものです。

私は戸建て木造住宅で生まれ育ったのですが、

たまに夜になると「バキッ」「ミシッ」と音がなっていました。

当時は「なになに??ポルターガイスト?!」

など冗談で思っていましたが

大学卒業後、工房で仕事をし始めたときに木工職人の師匠から

木が動く音だと教わりました。

へえええ木って動くんだ。

目からうろこです。

木場にある製材前の材木って見たことありますか?

丸太を湾の水にぷかぷか浮かせているんです。

もちろん運搬しやすいという意味合いもあるのですが、

これは水中乾燥といって、水に沈めることによって、樹液成分が適度に抜け、より水分が抜けやすくなる為、という事なのだそうです。

伊勢神宮などの20年に1度の建て替え(式年遷宮)に使う材木などは 3年も丸太のまま、水につけているそうです。

そして水から上げて乾燥させます。

乾燥が十分でない木は歪みが生じるとも教わりました。

師匠はその木目によって、それがどういう場所で育ったか、どういう歪み方をするかを予測しながら家具を作っていました。感動的職人芸ですよね!

木は生きている。

宮大工さんは1300年経ってもヒノキを削れば良い香りがするし使うこともできる。と言います。

例えば家具は手入れさえすれば代々受け継いで行く事も出来ます。

最高に長くても100年ちょっとしか生きられない我々人間よりよほど多くの時間を過ごしている木。

「木のぬくもり」という暖かみのある言葉は

こういうことを感覚的に表現したものかもしれません。

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