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空間の空気を読む

空間の空気。。。 よく空気を読め、とかKYとか言われますが、

抽象度の高い表現ながら、

行間を読むとか、

空気を読むとか、

「言わずもがな」的な考えかた。

明示されていないものごと、目に見えないものごとを感じること。

日本人はそういう感性が特に優れていると私は思います。

人との間の目に見えない「空気」「雰囲気」

単一民族だからなのでしょうが、考え方の傾向もそれほどの差違はなく

全体の和を重んじる。

もちろん欧米の教育で大切にされている「自己主張をすること」も大切な要素。

ただ自分を主張すれば良いとか我を張れば良いと言うことではもちろんないですが、

そういう個人主義的な環境である欧米に行くと日本人は貴重な存在となります。

そういう個性がむしろ少ないのだそうです。(←と海外在住の友人は言っておりました)

空気を読んで和を大事にする。

本題にもどります。

空間。

空間の空気。

空は「から」なのでからっぽです。

器と同じで器に何も入れなければ空気しかありません。

その空気の「質」のはなし。

ただ空気と言っても

乾、湿、暖、寒、軽、重、明、暗・・・

ざっと考えただけでもこれだけの要素が上がってきます。

これを漢方薬局とかでよく見る陰陽五行の

●陰陽で見ると

陽→ 乾、暖、明、軽

陰→ 湿、寒、暗、重

●五行で見ると

木→湿

火→暖、明

土→重、湿

金→乾

水→寒、暗

●さらに方角と色で見ると

木→ 東→  青、緑

火→ 南→  赤、オレンジ

土→ 中央→ 黄色

金→ 西→  白

水→ 北→  黒

となるわけです。

ここまで来ると、かなり個性が感じられますよね。

人に個性があるように「空間=場」にも個性があります。​​​

大切なのはバランスをとること。

極陰も極陽も身体に害になります。

砂糖や塩の取りすぎは明らかに良くないですよね。

例えば夏場(陽)の南向き(陽)の赤い(陽)カーペットの敷いてある部屋。

聞いただけでも暑苦しいです。

こういう場合、緑(赤の補色)でバランスをとるとか白で中和するとか備品で調整することもひとつの解決方法です。

乾燥する場所には湿度を保つ植物を

重みのある家具には、軽さを感じる和紙の照明を、と言った具合にバランスを心がけます。

引っ越しするとき、旅先のホテルで、レストランで、山間の山荘で・・・

気持ちの良いと感じる空間。

居心地が良いと感じる​​​空間は、視覚的な要素と同時に、素材から感じる肌合い、空気の質や流れ、光の温度など目に見えない要素を含み全体が絶妙なバランスで保たれています。

もう一点大切な事は

空間の用途性

例えば夜のみ営業のクラブと日中営業の喫茶店で目指す効果が違うのは自明の理です。

ならば日常的に自分が使用する空間はどうでしょうか?

通常住むには理想的とされている南向きの部屋。

夏は日射高度が高いので部屋に入り込む光はイメージしているよりも少なく、

冬は高度が低くなるので柔らかい光が部屋までさしこみぽかぽかとあたたかい。

ただ使用目的が「アトリエ」とか「寝室」になったときは、どうでしょうか?

アトリエの条件は「影が一定に近い」事。

日差しによって光が変化するのを嫌うので、北窓が理想とされています。

「寝室」もクライアント様の生活条件によっては

居心地良いと一般的に思われる空間は落ち着かない空間となってしまいます。

あるご依頼では、クライアント様は作家活動で夜型の生活スタイルをお持ちの方。

明け方にベッドに入るので日差しはNG。

ぐっすりと眠れるように南や東に窓のない部屋がご希望でした。

家を買うまえに、引っ越しをする前にすること。

自分にとって、家族にとって、居心地の良い空間とは何か、自分なりに分かっているよいですね。

「場」は使う人、住む人の個性と響き合う事で「活きた空間」となります。

まず自分を知り、生活スタイルを知り、空間づくりに反映させ、理想の空間を作りましょう。

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