主役は誰?
私達の生活スタイルはこの20年で大きく変化してきました。
高度経済成長真っ盛りの昭和の時代、平均的な家庭のリビング・ダイニング。
そこの中心に鎮座している「ぬし」はテレビだったではないですか?
リビングの主役は誰?というほどに・・・。
さすがにこの形状のものではなかったですが
祖母の家に行くと「家具調テレビ」なるものがあったのを思い出します。
インターネットが普及しはじめてからはTVの座はPCに取って代わられつつありますが
やはりモニター画面を眺めながらの生活は続いています。
家で主役の座にいるのは「あなた」か「モノ」か?
自分軸で時間を主体的に使っているのか?
もしくは受動的に使っているのか?
人生の1/xの時間
意識せずとも、一瞬の時間の積み重ねで人生は出来上がっていきます。
自分をとりまく環境。
どんな時間を過ごしているか。
しなければならない雑用、掃除に洗濯など家事全般、さらに仕事もこなしながらの日々、
知らず知らずに溜まっていくいらないモノ、
「後で整理しよう」「今はちょっと手が離せない」
などついつい後回しにしてしまいがちになりますよね。
ふと気がつくと、いっぱいの書類の山なんてことはないですか?
モノと同じで頭の中も同じような事が起こっていて、
気がつくとモノゴトに振り回されている自分に気がつきます。
そんな忙しい日常の中、あえて少しだけ立ち止まり、ゆっくりと深呼吸をし、この今の瞬間に意識を
傾けてみる。自分軸を取り戻し周りを見回してみる。
頭の中がスッキリと整理されます。
空間は意識やこころの映し出し。
主役はモノやコトではなくあくまでも自分自身です。
こころを介して暮らしや環境の本質を見つめていく、
また逆も真なり。
そういったプロセスの中で気づくこと。
「作ると同時に、気づくということの中にもデザインの本意がある」
と日本を代表するグラフィックデザイナーの原研哉さんも言われています
「モノ」ではなく「自分が主役」になる空間、
「コト」ではなく「自分が主役」の時間のデザインを心がけたいですね。